なんと言っても重要なのが自社製品(商品)の収益力です。限界利益MQ(付加価値)とは売上高PQから変動費VQを差し引いた金額です。変動費VQは製造業では「原材料+外注費」、小売、卸などの販売業では「仕入高(売上原価)」だと考えてください。ただし、外注費は企業によっては固定費としたほうが良い場合があります。
「製造業はこんなに簡単には原価計算はできませんよ」という声が聞こえてきそうですが、儲けるためにはダイレクトコスティング(直接原価計算)で経営を考える必要があります。現場の労務費や経費を減価に入れようとすると「儲からない会計」になってしまいます。
儲けるためには、現状がどうなっているかを明らかにする必要があります。そこで戦略用のP/Lに置き換えてみます。儲けるためには勘定科目の並びを「儲けるための科目」に替える必要があります。ここで一番重要なのは「自社製品の付加価値力」つまり「収益構造の一番のもと」を正確に把握することです。製造業において、企業の収益構造を把握する上で一番重要な限界利益MQ(付加価値)の金額が、実は税務署用の損益計算書には存在しません。
製品1個あたりの付加価値(収益を生み出す一番のもと)は、その製品の売価から原材料と外注費を差し引いた残りであり、人件費や製造経費が増減しようが関係ありません。もし残業代やパートの給与を変動費にした場合、忙しい月に作った製品のほうが、暇なときに作った製品よりも付加価値が少なくなってしまうことになります。本来、製品の付加価値を生み出す力とは売価や原材料の仕入れ値が変わらない限り変わらないはずです。

限界利益の額および率で自社製品(商品)の収益力の分析を行います。