【マトリックス通信】 コストダウンの限界

 ■ ある税理士と中小企業経営者の会話

 
<税理士>
売上がここ数年横ばいなのに対して、
人件費をはじめ固定費が増加していますね。
このままいけば、あと数年で赤字に転落してしまいます。

<経営者>
経費は年々増える一方で、1回の受注数量が少なくなっている上に、
また単価の値下げ要請が来ています。
加えて原材料が高くなってきているので、
利益を出すにはなかなか難しい状況ですよ。
先生はどうお考えですか?

<税理士>
売上増加がなかなか見込めない現状で利益を出すには、
製造業の場合はコスト(製造原価)を下げるしかないですね。
特に材料や仕掛品の在庫には気をつけてください。
資金繰りを圧迫しますから・・・
これからは売上より粗利の確保、
特に粗利率を維持するのが重要になります。
これまでの外注分を社内で行なうことで
対応を検討してみてはいかがですか。
あとは損益分岐点を下げるようにすることが重要です。

<経営者>
先生、「コスト削減=利益アップ」とよく言われますが、
多品種少量生産ではこれが限界ですよ。
それと、コスト削減が利益アップにつながる根拠は何ですか?
本当にコストを下げると利益が出るんですか?

私はこれまでコストを下げるための努力を
必死になってやってきました。
ところが全然利益は出ません。
それどころか在庫が増えて困っています。

もうひとつ、先生は「在庫は減らしなさい」とよく言われますが、
在庫はゼロが良いということなのでしょうか?
在庫がゼロになったら商売なんかできませんよ。
適正在庫とはいくらくらい なのですか?

<税理士>
「コスト」とは、
製造業の場合、材料費+労務費+経費(+外注費)から
成り立 っています。
これらを原価の三要素といって、
この合計を下げることがコストを下げるということです。

  〆猯組颪魏爾欧襦丙猯舛魄造買う)
  外注費を下げる(外注を減らして内製化する)
  人件費を下げる(パート化、残業を減らす、自動化、省力化)
  だ渋し佝餾鏝此閉樟棔間接経費の削減)


簡単に言うと以上のようなことです。
コスト管理するには、まず製品ごとの
本当の原価を計算する必要があります。
原価を確定できないと製品から生れる本当の利益が
分からないでしょう。
徹底した原価管理がコスト削減の基本です。

<経営者>
先生、製造業の実態が分かっていませんね。
先生のおっしゃっていることは
どこかの教科書に書いてるような内容ですよ。

大企業ならカネも人手もありますから原価管理もできるでしょうが、
われわれ中小零細企業で先生の言うようなことを聞いていたら
潰れてしまいます。
 
 
 

 ■ コストダウンと利益アップの間には相関関係はありません!

 

  しばらくしてこの経営者は会計事務所を替えました。

  この話はある企業で実際にあった話を元に構成し直したもので、
  今の税務を中心とした制度会計の不備を如実にあらわしています。
  このような会話が何の疑問もなく、日常行なわれているのです。

  本当の問題は

   \渋ざ箸任蓮屮灰好肇瀬Ε鵝疝益アップ」が常識となっている
   ◆屮灰好函廚琉嫐を、会計という一面、
     それも税務(税法)で拘束された
     原価計算の発想から会計事務所が抜け切れていない


  という2点です。儲けるための会計を考えた場合、
  コストダウンは利益アップと相反するのです。


  企業では儲からない原価計算を手間ヒマ掛けて
  一生懸命に行なっています。
  資金と人手がある大企業ならまだしも、
  中小零細企業が原価計算をやっても、
  この先の利益には結びつきません。

  実はこれが製造業においてこの先の経営を誤らせている
  大きな原因のひとつなのです。


  本当に利益を出そうとすると、 じつは、
  コスト(原価)が上がってしまうのです。
  この感覚が、これまでの
  原価計算という悪しき伝統に裏打ちされて、
  大企業の原価担当者をはじめ、
  ほとんどの経営者、経理マン、職業会計人は
  これに 気が付いていません。

  さらに、「このままでは利益が出ない!」という警戒警報が、
  今の会計システムにはありません。

  「この製品をこの価格、数量で販売している以上
   絶対に儲かりません!」

  と言い切れるデータが必要なのです。

  その先どうするかは、経営者であるあなたの意思決定です。
  今のままの会計情報では残念ながら、
  「この先の意思決定を行なうための経営情報には使えない!」
  のです。

  「原価を下げると利益が出る」ように見える「カラクリ」に
  過ぎなかったのです。 ⇒ カラクリの詳細はこちら 
 

 

 

 


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