【社長のための会計学】 貸借対照表B/S・自己資本の正体

 
 

いまの税務会計、管理会計に疑問を感じている
税理士との会話が噛み合わない
この先の手が打てない!
利益を増やすための的確な情報がほしい
もっとわかりやすい会計はないのですか?

 
 
 

会計を経営に活用するうえで疑問をお持ちの社長さん方に、ぜひお読みいただきたいサイトです。

 
 

 ■ 貸借対照表(B/S)

 

AさんとBさんがいます。

Aさんは現金預金500万円、土地建物1500万円、
 合計2000万円の財産があります。

Bさんは現金預金800万円、土地建物3000万円の
合計3800万円の財産があります。

果たして、AさんとBさんではどちらがお金持ちでしょうか?


B/Sの説明に使われるたとえ話です。

AさんとBさんの財産を比べた場合、
Bさんの方が財産が多いため、
見かけ上はBさんのほうが資産家です。

会社の建物が立派だと

ほう、この会社は儲かってそうですね!

というのと同じです。


ではそれぞれの財産(資産)の内訳を見てみましょう。
Aさんには400万円、
Bさんには3000万円のローン(借入金)がありました。

この場合、各自それぞれの正味財産(資産)は
Aさんの場合1200万円(全財産2000万円−借入金400万円)
Bさんの場合800万円(全財産3800万円−借入金3000万円)

となり、これが企業でいうところの自己資本(純資産)になります。

そして全財産(総資本)に占める自己資本の割合を
自己資本比率といいます。

  貸借対照表(BS)による比較
 
 

 

 ■ ワン・イヤー・ルールと流動配列

 

1年以内に現金預金で回収できるかを基準として、
B/Sの資産と負債をそれぞれ2つに分けます。

流動資産とは1年以内に現金になる資産です。
固定資産とは1年たっても現金にならない資産のことをいいます。

同様に1年以内に現金で支払わなければならない負債を
流動負債、それ以外を固定負債といいます。


決算書に表示される勘定科目の順番には規則があります。

流動資産は、
現金預金、受取手形、売掛金、、、

流動負債では、
支払手形、買掛金、短期借入金、、、

資産は現金になる順番、
負債は現金で支払う順番です。
 
 

 

 ■ 資本金(自己資本)

 
資本金とこれまで企業が儲けた利益を合計したものです。

赤字企業では、累積赤字が資本金を上回った状態を
債務超過または自己資本割れといい、
危険な状態であることを表します。

      債務超過の状態

自己資本を増やすには、
増資をするか利益を出すしか方法がありません。

と、ここまでは
決算書の解説本にも載っています。

じつは、B/Sの本質は
もっと別のところにあるのです。

 
 

 ■ 自己資本(純資産)の正体

 

今は法律が変わって、
自己資本のことを「純資産」というそうですが、

では自己資本とはいったい何でしょうか?

  ・資本金
  ・資本準備金
  ・利益準備金
  ・別途積立金
  ・繰越利益剰余金


自己資本は利益と一緒で目に見えません。

B/Sの「純資産の部」の合計金額は
資産合計から負債合計を差し引いた「差額」です。


中小企業経営者と税理士の会話

(税理士)当期は売上も順調に伸びて利益も出たようですね。

(経営者)おかげさまで資金繰りも心配ないようです。
      ところで先生、
      決算書には「別途積立金5千万円」って載ってますが
      いくら探しても金庫にはそんな積立金の証書は
      ありません。どこの銀行の積金なんでしょうかねえ。

(税理士)・・・
      困りましたなぁ。
      これは預金じゃぁないんですよ。


笑い話ではありません。
私も以前に何度かこの質問を受けた経験があります。

B/Sの「純資産」に載っている金額は

利益と一緒ですべて「差額」です。

つまり「実態がない!」のです。

 

 

 ■ 絶対額と評価額

 

中小企業の経営者の方たちが
ご自身の企業のB/Sを見る上で、
注意しなければならない点があります。

B/Sの左側には項目と金額がたくさん並んでいますが、
これらは「絶対額と評価額」に分類することができます。

「絶対額」とは「現金そのもの」あるいは
いずれ「現金になるもの」です。

たとえば、

  ・現金、預金
  ・受取手形
  ・売掛金
  ・未収入金
  ・貸付金など



しかし「評価額」は問題です。

具体的には

  ・建物、構築物、機械装置などの固定資産
  ・前払費用や繰延資産、繰延税金資産

そして、、、
【棚卸資産】、、、

製造業や建設業におけるB/Sは
もちろんFC(全部原価)で作成されたものです。

期末に決算で計上する製品や仕掛品は
期中に掛かった期間費用(労務費+製造経費)の一部が
B/Sの棚卸資産として翌期以降に繰り延べられている
価値のない「評価額」に過ぎません。


では、負債に関してはどうでしょうか?
負債の部に表示された金額はほとんどが「絶対額」です。

当然ですよね。借りたものや支払わなければならない金額は
お金そのものですから、、、

自己資本とは「差額」です。
B/Sの資産合計から負債合計を差し引いたものが
純資産です。

期末の製品や仕掛品(仕掛工事)が多ければ多いほど
B/Sの左側の資産合計が増加してしまいます。
しかし負債合計は変わりません。
 
「純資産」とは、絶対額と評価額が混在した
資産の合計金額から
ほぼ絶対額の「負債」を差し引いた「差額」です。

資産の増加分はそのまま自己資本の増加となるので
自己資本(純資産)も膨れ上がってしまうのです。


この先の資金繰りを考える場合は
「絶対額」のみで考えなければなりません。

製品や仕掛品などを含めた流動比率などで、
資金繰りの良し悪しを判定してはいけません。

自己資本比率も重要ですが、
まさにDC(直接原価)がいかにこの先の経営にとって
重要であるかを認識する必要があるのですね。


 

 

 ■ こちらもいかがですか 【利益が見える戦略MQ会計】

   
 

 

 
このページのトップへ