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2010年03月18日
立ちはだかる配賦の壁・部門別損益計算
【立ちはだかる配賦の壁・部門別損益計算】
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■□ 戦略会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■ Vol.234 2010/03/18
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■一般に「会計」というと、
法律で定められた「制度会計」を指します。
企業の業績を測定し、
税金や配当の計算に使われ、
そして外部への報告としての役割を担っています。
これに対し、
企業が儲けるために、自由にやるのが「管理会計」です。
月次決算や変動損益計算書、
そして、事業所や店舗ごとなど、部門別に行う損益計算も
管理会計の一種です。
■会社の規模が大きくなってくると
損益を部門ごとに管理するようになります。
全体で利益が出ていても、
どの部門が業績が良くて、
どの部門が足を引っ張っているのか、
を知るためです。
そのほかにも
◎社員に数字で具体的に示すため
◎社員にわからせる(はっぱをかける)ため
などの目的で使われたりします。
しかし、その結果、
経理部門の事務作業量が大幅に増えることになります。
■たとえば、
これまで、
伝票1枚(仕訳1行)だけで済んでいた
「○月分電気料XX円」という取引が、
・A部門○月分電気料XX円
・B部門○月分電気料XX円
・C部門○月分電気料XX円
・D部門○月分電気料XX円
というように、
部門の数だけ伝票(仕訳行数)が増えるからです。
ですから、
本当に効果が上がる【部門の設定のしかた】が、
とても重要になってくるのです。
■では、何を基準に部門を設定すればいいのでしょうか。
それはもちろん【各部門のMQを測定するため】です。
ですから、あまりにも細かい部門設定、
たとえば、
部課ごと、工場の機械設備や工程ごと、病院の診療科目ごとなどは、
手間が増えるだけでなく、かえってわかりにくくなり、
逆効果にもなりかねません。
そしてさらにその先には、
「本社経費や共通間接費を配賦する」という
【大きな壁】が立ちはだかります。
■毎月作成される部門別の損益計算書をもとに
営業会議が開かれます。
(社 長)
どうしていつもこの部門は赤字なんだね。
(経理部長)
はい、
この部門は本社経費を配賦する前は黒字なんですが
本社経費を負担させると赤字になってしまいます。
本社経費の配賦の仕方に問題があるようなので
至急再検討するようにします。
「本社経費」とは、
どこの部門にも属さない「共通費」のことです。
・役員報酬
・総務、経理、事務関係の社員の給料
・本社の家賃、電気水道、リース料など、、、
部門別の損益計算書を作る上で必ず問題になるのが
「共通費の配賦をどうするか」です。
そのために、自社に合った「最適の配賦のしかた」を
研究しようとします。
■経理部門にとって重要なのは
◎共通費をどのような基準で各部門に配賦するのが
我が社にとって一番良いか
です。
・部門別売上高の比率
・部門別人件費の比率や社員の人数頭割り
・部門別売場面積の比率など
いろんな参考書を見て出した結論は、
◎共通費の3分の1は売上高比率
◎3分の1は人件費比率
◎残りの3分の1は売場面積比率
■このメルマガでも
これまで再三お伝えしてきたように、
☆『全部原価FC』による利益の計算や考え方は
この先の経営には使えない
つまり、製造の間接固定費を製品1個に【配賦】すると
本当の利益がわからなくなるどころか、
この先の経営が見えなくなってしまうのです。
じつは全部原価FCで行われている人件費や製造経費の【配賦】と
部門別損益計算で行われている共通費の【配賦】とは
まったく同じもので、
どちらも、
経営の実態をわかりにくくしている大きな要因になっているのです。
■製品をヨコ(行)に並べて
製造固定費(労務費と製造経費)を配賦計算するのが
【全部原価FC】であり、
タテ(列)に並べて共通費を配賦計算するのが
【部門別P/Lの共通費配賦】です。
※製品別原価計算表
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製 品 名 材料費 労務費 製造経費 合 計
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A製品
B製品
C製品
:
:
※部門別損益計算書
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勘 定 科 目 全社合計 A部門 B部門 C部門
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売 上 高
売 上 原 価
売上総利益
:
:
共通費配賦額
配賦後の利益
■何を言いたいか!
◎配賦の仕方が問題なのではなくて、
「配賦そのものが問題」なのです。
~~~~~~~~~~~~~~~
そうです。
「配賦はするな!」なのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
本社経費を各部門ごとに負担させることは、
管理会計の世界では当たり前です。
しかし、戦略MQ会計では違います。
戦略MQ会計での部門別P/Lを行う目的のひとつ、
それは、企業全体の「MQ最大化」です。
共通費は配賦してはいけません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
A部門とB部門、両方に携わっている人の給料を
正確に分けたとしても、
その先にあるのは、
☆だからどうなの?
結局どうすればいいの?
なのです。
■建設業における「出面帳管理」も同じ発想です。
全部原価FCにおける製品原価が、
永遠にわからないのと同じように、
共通費をいくら配賦しても
本当の利益などわかりません。
配賦をするということは、
イコール恣意的(しいてき)ということであり、
この先のMQ最大を考えて行くためには
ほとんど役に立たないのです。
■それでも、
「どうしても配賦したい!」
という方には、
◎毎月【定額】で各部門に負担させる方法
を、オススメします。
全部原価FCの最大の問題、
それは、
「製品を作ってみないと原価率(配賦率)がわからない」
という【結果論】である点です。
この点は部門別管理においても一緒です。
月末に帳簿を締めて見ないと
「各部門への配賦額がわからない」
つまり、
「各部門でいくら負担するのか
最後にならないとわからない」
ようでは、
この先の経営には使えません。
そして何よりも
利益を作り出す「日次決算」ができないのです。
「何のために部門別管理をやるのか?」
もう一度じっくり考えてみるのも
いいかもしれませんね。
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投稿者 ITS : 14:23